店舗経営において正しい方法を知ることの大切さ

先日、福岡で一人暮らしをしている79歳の母に突然連絡が取れなくなった。大阪に住む私は、毎週日曜日に母に電話することにしているが、8回かけても電話に出ない。次の月曜日も電話に出ない。

「もしかしたら倒れているのではないか、お風呂の中だったら・・」など不安は大きくなる。近所に駆けつけてくれる知人や親せきはいない。遠隔地にいる高齢者の安否はどのように確認すればいいのか私は知らなかった。

すぐにネットで調べてみた。色々な意見があった「大家さんに相談する」「興信所に頼む」など。中には「コンビニに宅配弁当を頼んで見てもらう」などもあった。ネット上にある情報はすべてが正しい方法とは限らない。

一番信頼できると感じたのは高齢者のボランティア活動をされている方の実体験に基づくアドバイスで、住所地にある管轄の警察署に連絡して事件・事故の観点から安否確認をしてもらう方法だった。なるほどこれだなと思った。

早速、母の住む最寄りの警察署に連絡した。直ちに交番のお巡りさんが動いてくれた。「応答がなければ窓を割っていいですか?」「窓が小さいので・・」「では、ドアを開けるのでカギの110番などの業者を呼んでおいてください」と言われた。不安は一気に高まった。

しばらくすると母から電話があった。警察の人が来てビックリしたよと。音信不通の原因は母の携帯電話がいつの間にかマナーモードになっていただけだった。安心すると共に、警察の方には重々お礼を伝えた。本当にありがたかった。ボランティアをされている方の投稿にも感謝した。この体験で緊急事態に正しい方法を知っておくことの大切さを改めて痛感した。

店舗経営においても事故や事件を完全に防ぐことはできない。利益のピラミッド経営法では、火災になった時から強盗に入られた時までの対処法がマニュアル化されている。

 

(ベーシックスーパーバイザーハンドブックより)

まず店長は実際に強盗にあった場合は、絶対厳守で次のステップを踏む。

STEP1:冷静を保つ

STEP2:要求に従い要求されたものを出す

STEP3:決して逆らったり口論したりしない

STEP4:自分や回りの人を危険にさらすような行動は取らない

STEP5:事件後直ちに警察へ連絡する

STEP6:上司、SV、FCへ連絡する

STEP7:指示に従う

店長だけでなく、アルバイト店長までも緊急時に必ずマニュアル通りに行動するよう厳しくトレーニングされる。なぜなら人命に関わることだからだ。

もし経営者の「経験・勘・度胸」で方法を決めたり、店長がアイデアで対処したりしたら、とんでもない結果を招く可能性もある。勇敢にも戦った社員が命を落とすことだってありうる。

大切なことは、いかに良い結果を導く「正しい方法」を知るかにかかっている。レイ・クロックはマクドナルドの緊急事態マニュアルをFBI(アメリカ連邦捜査局)出身者によって作らせたという。

私たちの日々の生活だけでなく、店舗経営においても本当に正しい方法を知っておくことは人生を左右する。先人たちが導き出した「正しい方法」の価値は計り知れない。

ピープル・ビジネス・スクール 中園 徹