アメリカに学ぶビジネスの未来形

2017年6月の初旬から約2週間、アメリカのロサンゼルスにマッサージ関連の視察に行った。10年ほど前にも視察に来ていたが、あらゆるビジネスが大きく様変わりしており驚いた。

10年前のマッサージ店には風俗店のような怪しそうなところも多かった。しかし、今回は清潔感のある色々なタイプの店が増えていた。特にショッピングセンターには必ず清潔感のあるマッサージ店が展開していた。

以前のアメリカのマッサージ施術は、ゆるく大雑把なイメージがあったが、タイ・中国などのアジア人やメキシコ人などの進出により、とんでもなくレベルアップしていると感じた。きめ細やかにポイントを強圧する施術も多く、正直日本よりもはるかに質が高いと思った。

現地では、在留日本人でビジネスコンサルタントのタカハシさん(女性)に通訳と案内をしてもらった。彼女によると、アメリカはとても合理主義でスピードを重視する傾向があり、近年あらゆる業種で目まぐるしい変化が見られるとのこと。

飲食業でも、アメリカ発祥のマクドナルドやケンタッキーフライドチキンを脅かすような新たな勢力が伸びていた。

ハンバーガーでは「インアンドアウト(In-n-out)」というチェーンが急成長している。マクドナルドのように商品提供は早くないが、肉の焼き方までリクエストできてとても美味しい。チキンでは「チックフィレイ (Chick-fil-A)」という店が話題だ。ここも注文を受けてから作るので提供時間は最短でも数分掛かるが、フライドチキンがサラッとしていて美味く、とても品質を重視している。

また、どちらの店もスタッフがとても感じよく、店内もピカピカに磨かれている。提供時間は遅いのだが、どちらもドライブスルーでは店を取巻くような車の行列ができていた。老舗とは顧客満足の捉え方が違うとしても、総合的な満足度レベルではどちらも老舗を上回っているとも感じた。

人財育成においても両社には特徴がある。インアンドアウトでは、誰でも実力次第で昇格できるほか、何とマネジャー(店長)の月給は100万円を超えるという。また、チックフィレイは経営者が敬虔なクリスチャンで、日曜日は社員が家族と過ごしたり、教会に行ったりするために全店舗休みにしているとのこと。従来のサービス業ではありえない経営方針だ。

今、アメリカで勢いのある企業は皆、社員定着のためのプログラム(Employee retention program)に力を入れている。どちらの店も効率性や儲け重視よりも、こだわりの品質だけでなく、社員満足や労働環境を大切にしている点が大衆から支持されているようだ。

そう言えば、どちらの店もスタッフ全員にスマイルがあり楽しそうに働いていた。やはり顧客満足は「品質・サービス・清潔さ(Q.S.C+V)」であり、人財育成が経営の基本となるピープルビジネスの原則には変わりがないと確信した。

アメリカでは、あらゆる業種で競争が激しく、どの企業でもスピーディーな改革が行なわれている。特にすべてのビジネスがITを活かした変革に余念がなく、日本からも多くの流通業やサービス業の社長たちが年数回の頻度で見学に訪れているという。

今回の視察は当初、大手旅行会社にオーダーしたのだが、視察先との交渉が難航し断念せざるを得なかった。そこで海外日本人の紹介サイト「トラベロコ」を使いタカハシさんを紹介してもらった。結果として格安で、質の高い情報収集と通訳をお願いできたのだった。これもITによる変革だと言える。おかげで渡航直前の計画にもかかわらず目からウロコばかりの視察となった。

業種・業態に関係なく、自社のビジネスモデルを変革するために、アメリカの最新情報を見ることは、日本の未来形を見るようで多くの発見や学ぶべき点があるだろう。

もし、アメリカでの視察をご検討される方があれば、下記にあるタカハシさんの連絡先にご相談されてことをお勧めする。新たな発見と変革の糸口が見つかるかも知れない。

Yumi Takahashi

Business Connect USA

A Division Of Shooting Star International https://www.businessconnectusa.com/

中園 徹