〈ステップ1〉準備
最初のステップである準備に関しては、次の6項目について実施しているか確認していきましょう。
(1) 持ち場の決定(計画)
新人P/Aが出勤してくる前に、今日はどこで何を教えるかを明確にしておきましょう。これによって誰がトレーニングするかも決めなくてはなりません。前回、前々回で、どこまでトレーニングが進んでいるのか調べておく必要もあります。また、その時間帯のスケジュールも確認し、本当にトレーニングに専念できるのか? それとも、新人ができるポジションを1人で任せて忙しい時間(ピーク)に慣れるというトレーニングをした方がよいのか、選択しなければなりません。
(2) マニュアルなどツールの準備
マニュアル、トレーニングプログラムなどの必要なツールを準備してください。店長の代行や、ベテランのP/Aなどに、トレーニングを任せるのであれば、必ず必要となります。なぜならば、このツールがなければ店舗の平均したQ.S.Cを維持していくのは非常に難しいからです。また、トレーニングを進める上においても、ただ単に口頭で説明されるのと、手順を見ながら説明を受けるのとでは、トレーニング効果が違い、この場合は後者の効率が大変よいということです。
(3) 教えるポイントを決める
一度にたくさんのことを教えてしまうと、ポイントがずれてしまいます。持ち場が決定した段階で、ポイントを決めてトレーニングすると効率が良くなります。そのポイントとは持ち場のクレンリネスでもよいし、忙しい時間に、できるだけ他の人の力を借りずに自分だけでできるようにするなど、明確に決めておくと効果的です。
(4) 資材・機器のチェック
機器が正常な状態であり、店舗のクレンリネスが行き届いていることは非常に重要です。第一印象は2度与えることはできません。もしも、これを怠ると、最初に見た基準が新人の基準となるため「汚くて当たり前」「壊れていて当たり前」になってしまうのです。
(5) 自己紹介をする
初めて会う新人P/Aに対しては、必ずトレーナーが先に自己紹介を行ってください。この自己紹介において会話を持ち、新人P/Aの緊張を和らげます。ごく一般的な世間話をしてもよいのです。
(6) リラックスさせる
自己紹介の延長ですが、雰囲気が和らいだところで、今日トレーニングする仕事の内容と、その重要性の説明をします。何故今日その持ち場のトレーニングを行うかという理由を説明し、新人のやる気と気構えを準備させておくとトレーニングが円滑に行うことができます。